アイフル

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プロジェクトストーリー PROJECT STORY

既成概念を打ち破り、
アイフルグループを
テックカンパニーに。

国内市場が縮小するなか、アイフルもテック化を促進して技術力を高め、
グローバル展開していかなければならない。
ハッカソンから派生した学生アルバイトの取り組みは、その布石となった。 ※テック:テックは「Technology」の略称で「技術」の意。
本記事では、金融(Finance)と技術(Technology)を組みあわせた「FinTech(フィンテック)」分野のことを指す。

山下 卓也

01

01.TAKUYA YAMASHITA

山下 卓也

アイフル株式会社
グループデジタル推進部 課長

秋田 光仁

02

02.KOUJIN AKITA

秋田 光仁

アイフル株式会社
宣伝部宣伝課 課長補佐

福知 侑也

03

03.YUYA FUKUCHI

福知 侑也

京都大学
情報学研究科社会情報学専攻2年

CHAPTER 01

フィンテック分野で、
新たな取り組みを。

「アイフルをテックカンパニーにすること」それが山下の任務だ。業務内容は明確に決まっておらず、経営陣のふとしたアイデアからプロジェクトは始まる。「この前さぁ」が業務の指示で、「そう言えばさぁ」が業務の確認。その時点ではまだぼんやりとしているアイデアを具現化し、レポートラインとしてまとめて実行に移していく。

外に目を向ければ、フィンテックベンチャーが次々と新しいサービスを打ち出している。当社には創業以来50年にわたって蓄積してきたデータやノウハウがあるというのに、なぜ後塵を拝しているのか。それが積年の課題だった。“特命”を受けた山下は、まずAI(人工知能)の導入に取り組むことにした。AIを活用すれば、より高精度で効率的な与信審査を行うことができるだろう、というわけだ。しかし、約1年をかけて与信アルゴリズムを作成したものの、残念ながらそのプロジェクトは頓挫することになる。既存の審査システムが優れていたため、わざわざ外注してまでAIを入れる必要はない、という結論に至ったのだ。

AIに関しては一旦保留。次に下された“特命”は、「ハッカソンをやれ」だった。「ハッカソン・・・?なんですか、それは?」山下はまず通販サイトで関連書籍を取りよせることから始めた。ハッカソンとは、ハック(Hack)とマラソン(Marathon)を掛けあわせた造語である。プログラマーやデザイナーが集まってチームをつくり、特定のテーマに対して意見やアイデアを出しあう。そして、決められた期間の中でデータ分析やアプリ開発などを行い、その成果を競うイベントのことだ。「ハッカソンを開催して優秀な学生を集め、彼らにアイフルの仕事を広めていきたい」というのが、経営陣の狙いだった。

CHAPTER 02

貸付モデルをつくる
ハッカソンを開催。

手探り状態からのスタートだったが、まずはアイフルの取引先を通して、フランチャイズ事業を展開する会社を紹介してもらう流れとなる。そこから、いきなり京都大学の学生とコネクションをもてたのは幸運なことだった。そして、20人の京大生を迎え、第1回のハッカソンが2日間にわたって開催された。

20人を4人ずつの5チームにわけ、「貸付モデルの作成」という課題に取り組んでもらう。実際のお客様の貸付内容と、12ヶ月後の支払い状況、それぞれ2年分のデータを分析し、「貸すか貸さないか、貸すならいくら貸すか」を決める。最終的にどれだけ売上・利益を獲得できるか、という基準で競ってもらった。

ハッカソンに参加した京都大学物理工学科4年生(当時)の福知は、「まず専門用語がわからず苦労した」という。プログラミング言語には精通しているものの、貸付モデルなど金融業界の仕組みには明るくない。また、どこまで売上・利益を追求するのか、明確なゴールが存在しないことにも戸惑いがあった。1日目は10時から18時までの作業で、そこから大学の研究室に場所を移して翌朝5時まで課題に取り組んだ。そして2日目、13時から各チームが発表を行うことになった。

山下と秋田はそのクオリティの高さに舌を巻いた。門外漢の学生が、当社のスコアリング部隊のそれに近い数字を、たった2日間で叩きだす。さらに、資料作成能力やプレゼン能力についても、トップクラスのビジネスマンと比べ遜色がなかった。彼らの知識やスキルを社内に持ちこめば、とんでもないことになるだろう。そう予感した。

CHAPTER 03

内部でつくるからこそ、
そこに魂が宿る。

第1回のハッカソンは売上・利益の額が評価基準だったため、結果的にその前段の貸出モデルが軽視されてしまった。福知からの進言もあり、第2回ではモデルの精度にフォーカスすることになる。一方で確かな手応えを感じた山下と秋田は、福知をアイフルの会社見学に招き、社内でデータ分析のアルバイトをやってみないか、と持ちかけた。

「アイフルという会社自体は知っていましたが、どちらかといえばアナログなイメージで、最初はハッカソンなんてやるんだ、と意外に思いました。ただ、課題に取り組んでみると奥が深くて。モデルを少し触るだけで、数千万、数億の単位で数値が変わるというところに興味を惹かれました。ハッカソンはあくまでイベントですが、アルバイトだと自分がつくったものが実際に世に出ることになるかもしれない。それはおもしろそうだな、じゃあやってみようか、と申し出を受けることにしました」と福知は語る。

その後、福知の紹介や京大生協での募集告知などにより、学生アルバイトの数は20人を超えた。“バイトリーダー”を自称する山下が指揮をとり、データ分析チームと開発チームの2チーム体制を構築。前者は社内のデータサイエンティストとともに実際の顧客データを分析し、後者はアイフルの公式サイトやスマホアプリの開発にあたる。なお、開発業務については、外注から内製に切りかえる動きが進み、2019年4月、東京支社にデジタル推進部が新設されることにもなった。現在は、iOSアプリを学生アルバイトが、Androidアプリをデジタル推進部が担当し、UI(ユーザーインターフェース:OSやアプリの表示画面や操作方法)・UX(ユーザーエクスペリエンス:サービスなどによって得られるユーザー体験)の改善を図る。事実、「スマホでの申込み手続きがやりやすくなった」と、お客様の反応は上々だ。

秋田もまた、地元・京都の芸大生をアルバイトとして雇い、デザイン分野の質向上に取り組む。システムもデザインも根っこは同じ。やはり、内部でつくるからこそ、そこに魂が宿るものなのだ。

CHAPTER 04

未来に向けたPJ100。

とはいえ、ハッカソンから派生した学生アルバイトの取り組みについて、アイフル社内の認知度はまだまだ低い。また、事業として売上・利益に直結するわけではないため、予算の確保も難しかった。

目先の数字にとらわれていてどうする。これは未来に向けたプロジェクトなのだ。山下は「PJ100」というスローガンを掲げている。その内容は、100年続く企業を目指すなかで、金融業務を100%自動化し、100人でまわせるようにする、というもの。現在アイフルの社員数は2,000人を超え、コンタクトセンターには数百人規模の人員を配置しているが、テクノロジーの力でそれを大幅に削減する。ただし、単なるリストラではなく、適切な配置転換を前提としたうえでのことだ。

そのために、向こう10年でエンジニアの数を1,000人にする。この目標は決して絵空事ではない。十分実現可能な数字であるし、テック化は今後のアイフルの成長において必要不可欠なことなのだ。消費者金融の同業者は、もうライバルではない。むしろ同志として、他業界から参入してきた相手と戦っていくことになる。さらに、国内市場が縮小するなか、テック化を促進して技術力を高め、グローバル展開していかなければならない。

既成概念を打ち破り、アイフルをテックカンパニーにする。プロジェクトメンバーの歩みは止まらない。